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はんこ基礎知識 はんこの材質について

樹脂系(アクリル)

 

合成樹脂を使った印材です。古くは柘植の代用品として使われるようになったラクト材(脱脂粉乳の絞りかすから作ると聞きました)や、安売用の鋳造(型抜き)印鑑に使われるABS樹脂にはじまり、現在はアクリル樹脂のものが人気があります。

アクリル樹脂は意外と朱肉のなじみがよく、また透明度が高くて発色がよいため、かなりの人気商品です。印材用のアクリル樹脂は耐熱性が高いのですが、やはり耐衝撃性は弱く、細い線を彫ると、ピーンとはねるように欠けてしまうのが難点です。

ですが一般的な認印としては充分な強度があるので、色の多様性もあり、たのしい印材です。(でも材料原価が実は柘植の倍以上高いのよね^^;トホホ)



柘(つげ)

  印鑑のなかでも値段の安さという面では一番の素材です。
植物であるにも関わらず節目や年輪が薄く、均一な組織でできているので、古くから櫛などの緻密な工芸品 に多用されて来ました。現在でもその使いやすさと耐久性から、印鑑としてポピュラーに使用されています。

ただ生育が遅いので、過去において三文判用に大量に伐採され、国内産の柘植が絶滅寸前まで追い込まれた時期がありました。現在では三文判はラクトと呼ばれる樹脂を材料としているため、こういったことは起こりませんが、自然素材の扱いの難しさを教えてくれるエピソードです。

ちなみに本当は柘植と書くのが正しいんですが、はんこ業界ではなぜか柘と表記しています。理由を知ってる方、いらっしゃったら私に教えて下さい^^;。

本柘植と呼ばれるのは国内産のもので、九州で産する薩摩柘植が有名です。通称シャム柘植と呼ばれる輸入品がありますが、これは実は柘植でなくあかねの木だそうです。本柘植は色がやや濃く、目が細かいので細かい彫刻に向いています。ただ、一般的なはんことしての使用に置いては差はないと言って良いでしょう。(彫る職人さんにしか区別が付かない程度なのです。)



アグニ

  アグニとはインド神話に登場する火神からとった名前です。その名の示すとおり赤褐色で美しい木目とツヤのある印材です。

天然の素材(紫檀)と樹脂を特殊な圧縮加工で仕上げたものなので、木材ではあるものの柘植よりも欠けにくくなっています。 値段のお手軽さとその美しさで女性に根強い人気があります。
赤いスエードケースとあわせるとかなり高級感があり、かなりお勧めの一品です(^^)。


黒水牛

  実印などでよく使われる素材です。耐久性なども考えるともっともコストパフォーマンスに優れているといっていいかもしれません。

東南アジアなどで広く見られる水牛(家畜牛)の角を黒く染めたもので、もとの色は焦げ茶や青っぽい黒のようです。畜牛の角ですから絶滅の心配はまずないところがいいですね。

印鑑に加工するに当たっては、通常は芯の部分を利用します。これは周辺部分だとひび割れや変形が起きやすいからです。昔は訂正印や小判型認印に、この周辺部分の黒水牛を使うことが多かったのです。

私的には当店のメニューで芯持ちをうたうのはちと恥ずかしいのです。だって普通は芯持が当たり前なんですよね(笑)。でも他の業者さんが声高に芯持ちとかき立てていて、うちもそう書いておかないと芯なしを使っているように勘違いされそうなんで、デカデカと「芯持ち」って書いています(笑)。


オランダ水牛

 

一般に「牛角(白)」と呼ばれています。
黒水牛よりその色の良さから象牙に次ぐ高級はんことされています。透明感のある飴色をベースに、組織にそってごく微細な白っぽい筋がこまかく通っています。白や黒いが入っているものもありますが、そういったものはランクの低い印材です。均一な色のものほど高級とされています。

オランダ水牛というのは通称で、原産地はオーストラリア、アフリカの陸牛で、水牛ではありません。昔、貿易上の集積拠点がオランダにあったため、オランダから入ってくる牛角という事でオランダ水牛という名前が付いたと言われています。

固さや使用感は黒水牛と変わりません。黒水牛との値段の差が極端に開いているのは、見かけの良さによる希少価値が大きいです。黒水牛が人件費の安いアジアで生産されるのにたいし、オランダ水牛の場合は白人系社会のオーストラリアなどで生産されているせいでもあります。
い。


象牙

 

その堅牢さ、朱肉のなじみの良さがはんこの最高級印材と呼ばれるゆえんです。しかしながら大きな牙を持つアフリカ象は、主に日本への輸出目的で乱獲され、絶滅の危機に瀕し、ワシントン条約によって国家間の取引を禁止されるまでにいたりました。このニュースを聞いて恥ずかしい思いをしたはんこ屋は私だけではないはずです。

原産国強いの訴えから、厳重な監視下のもと、限定的な試験取引が再開された事もありますが、かなり量が少なく、取り扱い業者の人たちは、不況で売れないところへ仕入れ原価の急騰というダブルパンチを食らい大変なようです^^;。

象牙を巡る混乱はまだまだ続いています。正確な調査と保護にはかなりの資金が必要ですが、現地ではそんな経済的な余裕がない。この事実が象牙問題をますます複雑なものにしています。

アフリカの野生動物の生態系でトップにいる生き物ですから、局地的にでも増えすぎれば、他の生き物の生活を簡単に破壊してしまいます・・。自然保護とは自然への干渉であり、一歩間違えれば逆の破壊を生み出しかねないという事を意識せざるをえません。

現在でも、密輸が摘発される事があります。アフリカでは現地国の軍隊が、関わっていると思われる例まであります。少しでも外貨を獲得したいアフリカ諸国と、豊かな国の中流階級が支援する動物保護団体との綱引きは、当分続くのでしょう。 これも一種の経済戦争かもしれません。 最近は中国への密輸も増えている様子です。

象牙問題はアフリカにまずしい国々が多い故の事件と言えますが、我々の業界が金儲けに目がくらんでそれに荷担していた事実は隠しようがないことだと思います。また、未だ世界で一番象牙の消費量が多いのは、私たち日本である事から目を背けることはできません。

このような理由からはんこ大好き!!では、Webでの象牙印鑑の販売は行っていません。ロシアの凍土より発掘された、マンモスの牙がかなり安定して供給されるようになったので、それを販売しています。

象牙の取引に関しては、現在、その取り引きした大きさ、本数まで届け出ることが 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律・第三十三条の二」によって義務づけられています。お店にはまだ少し、規制前の象牙印材がありますが、すべて届け出してあります。



象牙

 

高級家具でも使われる、堅くて重い木材です。通常、黒と赤茶の縞があり、真っ黒なものは本黒檀と呼ばれて少々高価です。「はんこ大好き!!」では、基本的に縞黒檀を扱っています。柘に比べると目がやや粗いため、法人実印などでは目の細かい本黒檀の部分を使用する事もあります。



象牙

  ヒマラヤ山脈産の羊の角です。ベッコウに近い色合いで、ナチュラルホーン(牛角白)より透明度が高いのが特徴です。角の先端部分が印材として使用されます。耐久性は黒水牛やナチュラルホーンとほぼ同等ですが、はんこ屋さんによっては「黒水牛より少し弱いのではないか」と言う人も多いです。